TEXTILE

Matching

JAPANESE TEXTILES TO THE WORLD

2012年より日本のテキスタイルの産地と世界のデザイナーをつなぎ、コレクション作りを行っています。

また、2023年より海外での日本のテキスタイル販売を始めました。

日本のテキスタイルの伝統と文化を、世界へ広め、次世代に継承することが私たちの目的です。

JAPANESE TEXTILE
INDUSTRY

日本では着物文化の伝統を背景に、全国各地で繊維産地が発展してきました。全国各地には、それぞれの風土によって育まれてきた多種多様な染物や織物があります。

明治の殖産興業に始まって昭和30年代まで、繊維産業は日本の製造業の中心であり、輸出産業の主力として日本経済を支えてきました。ところが、戦後の技術革新による大量生産・大量消費の促進、生活の洋式化等により、人手や手間・費用を要する伝統工芸のシェアが大きく奪われ、産地は後継者不足の問題を抱えています。人口減少や少子高齢化の傾向は続くことから、担い手は減少を続けることが推測され、これまで守り受け継いできた伝統工芸の技術や文化の存続が危惧されています。

日本の繊維産業

JAPANESE TEXTILES ×
DESIGNERS IN THE
WORLD

SAKURA COLLECTIONは、2012年より日本のテキスタイルの産地と世界のデザイナーをつないだコレクション作りを行い、世界各地でショーや展示会を行なっています。 また日本のテキスタイルをテーマに、世界のファッション学生に向けたデザインコンテストを開催しています。

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世界各地でショーや展示会を行なっています

WE WORK WITH TEXTILE
PRODUCTION AREAS
ALL OVER JAPAN

これらのプロジェクトを通して、SAKURA COLLECTIONは日本各地のテキスタイルの産地と協業してきました。 このネットワークを活かして、SAKURA COLLECTIONがあなたの探してるテキスタイルを手配します。また工房の視察コーディネートも可能です。

日本のテキスタイル産地とのつながり

OUR PARTNERS

取り扱いMAP

ENSHU FABRIC

COTTON

遠州綿紬の産地、静岡県・浜松で
「ぬくもり」を感じる場所

かつて遠州地方は温暖な気候と豊かな自然に恵まれ、綿作りに適して、三河(愛知県)、泉州(大阪府)と並んで綿の三大産地として栄えた。1800年代後半以降、動力で織機を動かす力織機(りきしょっき)が登場し、織機メーカーとして創業した現・トヨタ自動車や浜松市に本社を構えるスズキ株式会社が誕生し、遠州綿紬は浜松市の産業の礎となった。 遠州綿紬はさまざまな縞模様が特徴で、四季を感じる日本の色を使い、凹凸感のあるネップ糸やスラブ糸などをタテ糸とヨコ糸に使うことで、独特の表情を持つ織物。また、使い込むほど撚りがほぐれて空気を取り込み、優しい肌触りとなる。遠州では人々の暮らしを支えてきた遠州綿紬の伝統を守り、職人の想いをつむぎ、人々の暮らしとつながり、未来をつむぐ織物を継承している。

Amami-Oshima Tsumugi

SILK

大島紬は1300年以上の歴史と伝統を持つ鹿児島県・奄美群島の織物で、絹100%で深い黒色で光沢感を持つのが特徴。現在の生産量はピーク時(1972年)の約1パーセントまで落ち込んでいる。 大島紬のブランドと伝統の道具を絶やさないために、アンティークの大島紬の着物を5mmに裁断して布に戻し、細く裁断してヨコ糸として織り上げる「奄美布」がアップサイクル生地として開発された。この奄美布は2022年に自動車メーカー・フェラーリの特別仕様車のシートとカーペット部分にも採用された。現在は、「奄美布」「クリスタル大島紬」などのオリジナル商品の製造販売を中心に、異業種とのコラボ企画や海外展開なども積極的に行なわれている。

Shiozawa Orimono

SILK

雪国で育まれた伝統の塩沢絣で、
地域の伝統を守り続ける

塩沢は冬場は豪雪地域として知られており、麻織物の名産地である。この寒冷多湿の環境は、麻糸を扱うのに適しており、夏塩沢は麻の技術を生かして夏の絹織物が需要が高まった結果、誕生した。夏塩沢は非常に薄く織られ、絹織物にもかかわらずシャリっとした質感を持ち、夏の着物にぴったりの清涼感を提供できる。年間生産量はわずか300反と貴重で、強撚糸と呼ばれる強力に撚られた糸を使用し、湯もみを行うことで独自の生地しゃり感と柔らかい肌触りを持つ織物が生みだすことができる。昨今の人口減少や洋装化による和装離れが進行し、織物産業は厳しい環境にあるが、和装業界に貢献している。

Ojiya Chijimi

HEMP

新潟県・小千谷の1200年の歴史
天然繊維の麻だけが保持する唯一無二の織物

小千谷縮には、オーガニック麻100%を素材として使用している。麻は人類史上で最古の繊維とも言われ、通気性や吸水性、発散性に優れることから、古来より天然のクール素材として知られている。天然繊維の麻だけが持つ爽やかな肌触りと縮布独特の生地は、サラサラとした清涼感があるのが特徴。 また、吉新織物が製造する小千谷縮・上布の大きな特徴として、こんにゃく糊を使った一本糊つけ加工がある。麻の原糸を使い群馬県下仁田産のこんにゃく特等粉から必要量の糊をつくり、外注に頼らない製法で糸づくりを行っている。この加工により麻の張りの中にも柔らかさ、しなやかさを持った独特のシャリ感が生まれ、着れば着るほど味わいのある布へと変化していく。

Tama-Ori

WOOL

多摩織の伝統の技を後世に伝え、
絶えず新しい道へ挑戦する

有限会社澤井織物工場の当主・澤井伸氏は多摩織の伝統工芸士として、織物の製造工程に必要な伝統技法を駆使し、現代のファッションに合わせた様々なアパレルアイテムを生産している。具体例としては、多摩織の一つである「お召織(和装生地に用いられる絹織 物の一種)」の手法でつくったストールやマフラー、ランチョンマットなどを多く手がけているほか、2016年にはGoogleからの依頼を受け、衣服を「タッチパネル化」す るための“プロジェクト・ジャカード”の研究開発にも参画した。また、澤井氏は2018年に「卓越した技能者(現代の名工)」として厚生労働大臣より表彰され、2021年、「農業、商業、工業等の業務に精励し、他の模範となるような技術や事績を有する人」に授与される国の栄典、「黄綬褒章」も受賞した。

Bishu Wool

WOOL

「尾州ブランド」の確立を目指し、
国際市場で存在感を高める

尾州地域は、豊かな自然環境と木曽川の恵みを活かして、日本一の毛織物(ウール)産地として発展し、世界三大毛織物産地(イギリス、イタリア、日本)の一つとされ、高品質なウール製品を生産している。中伝毛織では、糸から生地になるまでの各工程が一貫して行われ、紡績、撚糸、染色、製織、編立、整理加工など、それぞれの工程で専門的かつ高度な知識と技術を継承してきた。 現在は、生地メーカーに留まるだけでなくアパレルとしてモノ作りにも着手し、尾州の素材と技術、生産ノウハウを活用して、各種のファクトリーブランドも展開している。世界中のハイブランドから指名入りで注文が入り、確かな品質とデザインセンスが認められ信頼を得ている。

Sano Ai

INDIGO DYEING

約100年ぶりに復活した佐野藍で販路拡大
日本の伝統色・Japan Blueの奥深さを追求

栃木県佐野市は、江戸時代に栄えた藍産業が明治時代後期に化学藍の導入もあり、一時生産が途絶えた。しかし、2012年に地元市民の有志が立ち上げた「佐野藍復活プロジェクト」がスタートし、藍草生産が約100年ぶりに再開された。地域内で藍草の栽培から藍染め製品の販路拡大まで手がけ、地域産業の自立を目指している。また、藍染は藍草の葉を使って作った藍玉と水、灰で作られ、「正藍染」と呼ばれている。藍の美しい青色は、Japan Blueとも言われ、この色を表現するには、良質な土壌の管理はもちろん、不純物を取り除く選別作業や、発酵具合を見定める品質管理、そして藍染に適した清澄な水質の管理など、手間暇がかかる作業が必要になる。こうして完成する染料はサスティナブルであり、藍草の持つ自然な力を有効に活用している。現在、市内には数軒の藍農家が栽培に取り組み、収穫した 葉を発酵させて得られる藍の原料である藍玉(すくも)は、全国に広く出荷されている。

Black Dyeing

BLACK DYEING

衣類の染め替え受注REWEARプロジェクト "K"
深黒加工の原理で「黒をより黒く」

京都紋付は、1915年の創業依頼、黒染め技術一筋に取り組んできた。現在の4代目社長・荒川徹氏は、顧客の衣類を染め直したり、アパレル会社の在庫の再生支援など、伝統を守りながら繊維廃棄物の削減と、SDGsに寄与した持続可能な社会の実現に向けたアップサイクルプロジェクトを展開している。2000年からその技術をアパレルに提供して、ジルサンダーやイッセイなど多くのアパレルブランドととコラボを行っている。黒染めは、綿、麻、ウールなどの天然繊維のほか、化学繊維にも「深黒加工」という独自技術を用い、今迄の洋装には無い、深い色合いの黒染めを実現。2013年からは汚れた衣類や在庫などを黒染めでアップサイクルするビジネスをアフィリエイトのスキームを活用して広めており、消費者からの古着の染め替え依頼を受注し、黒染めによる染め替えを意図したデザインを提案して、染め替えを行っている。世の中に染め替えの概念を作ることで廃棄衣類の削減と黒染め技術を継承している。

One-o-Five

DENIM

廃棄寸前デニム20トンを蘇らせ、
アパレル業界の課題に取り組む「One-o-Five」

アパレル業界の過剰生産、大量廃棄という社会課題に直面するアパレル業界に着目し、古着を再生する新たなビジネスに挑戦した。2019年に、ロサンゼルスで廃棄寸前のデニムを20トン購入し、アップサイクルプロジェクトを始動。環境に配慮した洗剤を使用し、デニムの匂いを取り除く洗浄方法を確立し、デニムの解体、加工、縫製を行い、デニムに新しい価値を生み出し、蘇らせ、新たにアパレル業界の社会的課題に取り組んでいる。2020年、廃棄寸前のデニムのリメイクアイテムのブランド「One-o-Five DENIM TOKYO」を立ち上げ、アパレル、雑貨、リビングアイテムを展開。SDGsの観点からも注目を集め、現在は国内外のデザイナーや企業とコラボして、デニム生地をアップサイクルし、持続可能なファッションへの貢献。新しい価値をデニムに吹き込み、アパレル業界の課題に取り組んでいる。

Hamamatsu Marunabe denim

DENIM

濱松丸邊denimを定着させ、
Made in HAMAMATSUを世に広げたい

浜松市は古くから紡績や織物が盛んで、遠州綿紬など代表的な伝統織物が生まれた「繊維の産地」として広く知られているが、デニムの産地としては発展途上となっている。株式会社邊装の現社長・渡邊氏は、「濱松丸邊denim」の商品開発を通じて、Made in HAMA -MATSUを世に広げることを目的に、浜松市の伝統生地の普及拡大とは異なる新風を吹き込む動きで注目されている。 縦糸の太さや染め具合をあえて不均一にして、織り上がった時に生地に濃淡を出し、和風のテイストでザラザラとした手触りを引き出すなど生地にも工夫をちりばめている。色落ちしたときに表面に出てくる横糸は一般的な白に加え、浜松市の名産品「みかん」をイメージしたオレンジ色の2種を用意するなど、遊び心ある世界に1つしかないデニム生地を製造している。